レポート

TDB景気動向調査2025年12月(北陸ブロック:新潟・富山・石川・福井)

■北陸ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.1

0.4

6カ月連続で改善、「富山」「石川」が好調

・概況

『北陸』の景気DIは42.1(前月比0.4ポイント増)と6カ月連続で改善。『金融』や『建設』、『運輸・倉庫』からは「能登半島地震の震災復興需要」、『製造』からは「トランプ関税、過度の円安など不確実性は増しているが、足元の業況は悪くない」との声があり、IT業界も「商談が活況でスケジュールを延期している」という。一方、公共工事が低調であることや人手不足、賃金上昇、物価高、進まぬ価格転嫁の影響が指摘されており、『製造』では「中国への輸出案件減少」「金型業界は特にきつい」との声があった。

・景気DI

『北陸』の景気DIは42.1(前月比0.4ポイント増)と6カ月連続で改善した。全国10ブロック中第8位。1位は『南関東』の47.2、最下位は『東北』の40.1。「富山」が45.6(同0.3ポイント増)と4カ月連続で改善し全国第9位、「石川」が47.2(同0.7ポイント増)と3カ月連続で改善し同5位。

・規模別DI

全体の8割超を占める「中小企業」が41.5(前月比0.7ポイント増)、「うち小規模企業」が41.1(同0.5ポイント増)とそれぞれ2カ月ぶりに改善。半面、「大企業」は45.5(同0.9ポイント減)と2カ月ぶりに悪化し、大企業と中小企業の規模間格差は4.0(同1.6ポイント減)に縮小した。

・業界別DI

『製造』が37.6(前月比0.6ポイント増)と3カ月連続で改善し、『卸売』も38.4(同0.5ポイント増)と2カ月ぶりに改善。両業界は10業界中最低水準ではあるが、底打ちの気配が強まっている。『サービス』、『運輸・倉庫』も好調。半面、『建設』が45.8(同1.8ポイント減)と3カ月連続で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が43.9(前月42.6)、「6カ月後」が45.4(同44.1)、「1年後」は46.0(同45.7)と3指標いずれも改善。特に「新潟」は前月比で改善の度合いが大きく、「富山」「石川」も改善。業界別では『製造』『卸売』『サービス』など主要業界がいずれも大幅に改善した。

■新潟県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.4

1.3

3カ月ぶりに改善、

『金融』と『サービス』がけん引

・概況

「新潟」の景気DIは39.4(前月比1.3ポイント増)と、3カ月ぶりに改善した。もっとも、建設業からは「冬季の公共工事が少ない。除雪関連も低調」「職人不足、資材高などが収益を圧迫している」といった声が多く聞かれ、製造業からも物価高を背景に「消費不振、買い控えは深刻」、「中小企業の廃業が目立つ」、「リチウムイオン電池関連の受注が突然停止」との声があった。半面、「EC(電子商取引)関連が好調」(卸売)、「コロナ後の回復は順調」(サービス)との声があり、IT関連の景況感も良好。

・景気DI

「新潟」の景気DIは39.4(前月比1.3ポイント増)と、3カ月ぶりに改善。2024年9月以来の40台も視野に入るが、全国第44位で前月と変わらず。首位は「沖縄」の54.8、2位は「東京」の48.1、次いで「神奈川」「大分」が47.9。最下位は「宮城」の38.6、「徳島」「高知」の38.9と続く。

・規模別DI

「大企業」が41.9(前月比1.4ポイント増)、「中小企業」が39.0(同1.2ポイント増)、「うち小規模企業」が36.4(同2.5ポイント増)と、3指標揃って3カ月ぶりに改善した。特に、「中小企業」「うち小規模企業」はほぼ1年ぶりの高い水準となっており、先行きについても強気な見通しが示されている。

・業界別DI

『金融』と『サービス』の好調が持続。『金融』が48.3(前月比0.4ポイント増)と5カ月連続で改善。『製造』(33.3)も10業界中最低水準ながら、同1.6ポイント増と2024年9月以来1年3カ月ぶりに2カ月連続で改善した。『建設』『サービス』が3カ月ぶり、『卸売』『小売』も2カ月ぶりに改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が42.0(前月39.7)、「6カ月後」が44.6(同42.2)、「1年後」が45.6(同44.4)と、先行き見通しは3指標いずれも改善。2025年秋以降、改善傾向が徐々に強まっている。業界別では『金融』や『サービス』の値が高く、規模別では「中小企業」および「うち小規模企業」が改善傾向にある。

■富山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.6

0.3

4カ月連続で改善

・概況

「富山」の景気DIは前月比0.3ポイント増の45.6と改善し、全国順位は前月同様の9位を維持した。「北陸」DIは42.1、全国DIは44.4と、ともに改善が続いた。「民間工事減少」(建設)「自動車関連の設備投資が弱い」(機械卸売)などの声が聞かれた一方、「需要旺盛」(肥料製造)「足元悪くない」(化学品製造)などの声もあった。いずれにせよ、景気DIは改善が続いているものの楽観視できず、今後も状況を注意深く見守って行く必要があろう。

・景気DI

「富山」の景気DIは、45.6と前月比で0.3ポイント改善した。福井は悪化したものの、新潟、石川はともに改善し「北陸」のDIは前月比0.4ポイント増の42.1と6カ月連続で上昇した。全国もDI44.4と7カ月連続で上昇した。「富山」の都道府県別順位は前月同様の9位となった。

・規模別DI

「中小企業」(46.5)は前月比1.0ポイント増となったものの、「大企業」(42.4)は同2.3ポイント減、「小規模企業」(43.8)は同3.4ポイント減となった。結果、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は-4.1ポイント(前月-0.8ポイント)と、3カ月連続で「中小・小規模企業」が上回った。

・業界別DI

10業界中、前月比改善は『製造』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』の4業界となった一方、同悪化は『建設』『サービス』『農・林・水産』『金融』の4業界となった。景気判断の分かれ目となるDI50以上となったのは4業界(前月6)にとどまった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(当月比0.5ポイント増)、「6カ月後」(同0.7ポイント増)、「1年後」(同2.2ポイント増)と、改善する見通しとなった。業界別では、『建設』『小売』などは不安感が払拭できない結果となった一方、『製造』『卸売』『サービス』などは先行きに対する期待感が窺えた。

■石川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

47.2

0.7

3カ月連続の改善で2025年最高値を更新

・概況

「石川」の景気DIは、前月比0.7ポイント改善の47.2で2025年最高値を更新した。3カ月連続の改善は2022年11月以来、前年同月を6カ月ぶりに上回った。先行き見通しDIは改善傾向が続き、全指標が2カ月連続で改善するのは2023年4月以来。県内の景気を下支えする『サービス』では2カ月連続の改善となり、特に情報サービスでの好調さが全体を牽引した。復興特需やインバウンド需要が下支えする状況に変わりはないが、1年先まで現状が続くことを想定している企業は少なく、当面の動向は見守っていく必要があろう。

・景気DI

「石川」の12月の景気DIは、前月比0.7ポイント改善の47.2となった。2022年11月以来3年1カ月ぶりに3カ月連続で改善し2025年の最高値を更新した。前年同月比でも6月以来6カ月ぶりに上回った。都道府県別順位は前月より2ランク上昇の5位、対前年比では4ランク改善した(前年同月9位)。

・規模別DI

「大企業」のDIは6カ月連続で改善し、「中小企業」も3カ月連続で改善した。「大企業」が前月比1.3ポイントの改善に対して「中小企業」は0.3ポイントの改善にとどまったため、両者の格差は前月比1.0ポイント拡大の12.7となった。「中小企業」のうち「小規模企業」の指標は2カ月連続で悪化した。

・業界別DI

8業界のうち3業界で改善、2業界で横ばい、3業界で悪化した。2カ月連続の改善は『サービス』のみ。前月大きく落ち込んだ『運輸・倉庫』では2カ月ぶりの改善で全業種トップに躍り出た。『サービス』では情報サービス業が好調を牽引した一方、2カ月連続で悪化した『建設』では民間工事全般の受注減少も聞かれた。

・先行き見通しDI

2023年4月以来2年8カ月ぶりに3指標全てが2カ月連続の改善。3カ月連続で改善した「3カ月後」「6カ月後」ではともに2025年最高値を更新。特に「6カ月後」では分水嶺の50に迫る49.3まで改善した。しかし震災復興投資やインバウンド需要など下支えの根拠が「1年後」まで継続しているか懐疑的な状況。

■福井県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.3

-1.4

前月比、前年同月比ともに悪化

・概況

『福井』の景気DIは前月比・前年同月比ともに悪化する結果になった。『建設』は「民間・公共ともに工事量が減少」「人手不足で工事をこなせない」などの声が聞かれたほか、『卸売』は「中国や欧州の景気減速、在庫調整の影響で受注が減少している」との意見があった。ただ、『製造』や『卸売』は在庫調整などの影響緩和とともに改善が進むとの見方が強く、当面は一進一退の景況感で推移する可能性がある。

・景気DI

『福井』の12月景気DIは40.3となり、前月比で1.4ポイント悪化、前年同月比では2.0ポイントの悪化となった。都道府県別順位は39位で、前月(35位)、前年同月(29位)比でいずれも低下した。業界別では、『製造』や『小売』が僅かに回復したが、『建設』を中心に各部門で落ち込みがみられた。

・規模別DI

『大企業』の12月景気DIは41.7となり、前月比で5.4ポイントと大きく低下、『中小企業』も40.0で0.5ポイント低下した。『うち小規模企業』は43.9で1.5ポイントの改善となり、大企業と中小企業の格差は1.7で、前月より4.9ポイント縮小した。

・業界別DI

比較可能な8業界のうち、前月比で改善を示した業界は2業界、悪化は4業界、横ばいは2業界。なかでも、『建設』が7.0ポイント、『運輸・倉庫』が8.4ポイントと大幅に悪化した一方、『製造』は0.3ポイント、『小売』は1.5ポイントと小幅な改善にとどまった。

・先行き見通しDI

『3カ月後』は41.7、『6カ月後』は42.9、『1年後』も42.9と、先行きは現状よりやや改善するとの見方を示した。業界別では、『サービス』が厳しい見通しとなったものの、『製造』や『卸売』は1年後まで改善が続くとの見方が強かった。

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