レポート

「家具小売店」の倒産、休廃業・解散動向(2025年1-11月)

倒産は昨年の約2倍で推移、休廃業・解散と合わせ 79社が消滅

株式会社帝国データバンクは、「家具小売店」の倒産発生状況について調査・分析を行った。

SUMMARY

2025年1-11月に発生した家具小売店の倒産は27件、休廃業・解散は52件で、合計79件が市場から退出した。需要減少や、低価格の大手総合家具量販店・ホームセンターやネット通販等の攻勢、ウッドショックなど資材価格高騰および円安の進行による収益悪化を背景に、小規模事業者の倒産が急増した。

集計期間:2000年1月1日~2025年11月30日まで

集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産。なお、休廃業・解散とは、倒産(法的整理)を除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(「みなし解散」を除く)を確認した企業

小規模家具店の倒産増、需要減少と競争激化、円安の影響も

2025年1-11月に発生した家具小売店(製造小売り含む)の倒産件数は27件。11カ月間経過時点で2024年通年(1-12月・14件)の約2倍に達した。このままのペースで推移すれば、15年ぶりに通年で30件を超える可能性もある。休廃業・解散は52件で、合計79件が市場から退出した。

負債をみると1社あたり約6700万円となり、2023年以降1社あたりの負債が1億円を下回る状態が続いている。負債1億円未満の業者が81.4%となり、地域の商店街等で長年地元に密着し、個人向けに1~数店舗を経営してきた小規模の家具小売店の割合が多い。2024年から2期連続で8割以上となった。

地域別にみると、最多は関東の8件(29.6%)、次いで近畿5件(18.5%)、東北4件(14.8%)となった。東京・神奈川では、円安の影響を受けた輸入家具を扱う業者の倒産が多かった。九州では、福岡県大川市を中心に製造される大川家具を扱う小規模事業者での不振が影響した。東北や中国では、過疎化が進む地域での倒産が目立った。

ライフスタイルの変化・少子高齢化によって婚礼家具・育児家具の需要が減少してきたなか、新設住宅着工戸数は、2024年度こそ3年ぶりに増加に転じたものの、10年前の2014年度と比較すると約7%減少しており、住宅購入での新調需要も低下している。加えて、2021年にはウッドショックが発生し、資材価格高騰および近年の円安の進行によって収益が悪化。低価格の大手総合家具量販店やホームセンターのほか、ネット通販業者も増え、商品がネットで比較可能な環境で、競争が激化している。生き残る家具小売店は、低価格路線か、自社オリジナル製品や一部の高所得者層に向けた超高級路線のいずれかで戦略が二極化。物価高で耐久商材となる家具の買い換えは後回しにされる傾向にあるなか、材料の高騰を価格に転嫁できない業者は息切れの状況となり、今後も倒産は増加基調で推移するとみられる。

20251208_「家具小売り店」倒産動向(2025年1-11月)

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